1920年〜30年代頃にかけ流行した美術様式、アールデコ。
直線を多用したすっきりとしたデザインが特徴で、
十石のローズカットダイヤモンドと、十五石のシンセティック
(合成)ルビーを並べたこちらのブローチにも、その影響が
色濃く感じられます。
20世紀初頭に誕生したシンセティックルビーが当時の
ジュエリーに多く用いられたのは、鮮やかな色彩と、
デコの持ち味である直線や左右対称性との相性の良さが
一因なのでしょう。
またカラーコントラストの表現にも適しており、クリアな
ダイヤモンドとの組み合わせに加え、イエロー、ホワイトと
地金のゴールドを使い分けることにより、さらに際立つ
対比を印象付けています。
爪を使わず、各ルビー同士が接するようにセットした
カリブレカットと呼ばれる石留めも、この頃のジュエリーに
見られる画期的な技法です。
シンプルなデザインの中に、時代を象徴する要素が
大いに盛り込まれています。
フランスのゴールドを示す鷲の頭のホールマークがあります。
年代 1930年代頃
国 フランス
素材 シンセティックルビー ダイヤモンド 18金
サイズ 約6.8cm×0.3cm
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