Christian Dior グリーン クリア ラインストーン パール ネックレス/イヤリング

ヴィンテージディオールのネックレス、イヤリングのセットです。

ディオールのジュエリーには刻印に年や関連メーカー名が明示されている
作品も多く、製造年代や背景が比較的特定しやすいと言われています。
当作品には年代が記されてはいないものの、"GERMANY" のサインが
入ることから、おそらく1955年以降、ライセンス契約に基づきディオールの
ジュエリーを製作していたドイツのメーカー、Henkel & Grosse社が
関わるものと考えられます。

デザインの全体像は、ブランド創業主 Christian Dior の手による
1950年代後半頃のものにも見受けられますが、サインや細部の
作り等総合的に判断すると、1960年代半ばから、70年代頃までの
作品かと推測します。

当時ディオールのアーティスティック・ディレクターは Marc Bohan。
30年近くヘッドデザイナーを務めるにあたり、流行や独自色を加味した
作品を発表しつつ、歴代デザイナーの中では最もブランド創業主の
スタイルに沿うと評される人物です。
Christian Dior のこだわりの結晶であるラインストーンをふんだんに
あしらい、美しいパールと合わせ仕上げた華やかなデザインは
まさにディオールらしい王道のテイストだといえるでしょう。

ヴィンテージの模造真珠ジュエリーといえば、例えばミリアムハスケルや
シャネルのように、強烈な個性を放つデザイナーや作品が
真っ先に思い浮かびます。
その中でディオールのパールといえば、少々控えめで、けして声高に
存在を主張してはいないのかもしれません。
しかしよくよく注目してみると、やさしく柔らかな色、滑らかな質感、
シルキーな光沢と、他にはない上品さと上質さを持ち合わせている
ことに気が付きます。
幾度となくパール液のコーティングと研磨を繰り返し完成するディオールの
模造真珠には、「ディオールのジュエリー」に用いられるだけの
クオリティーを得るべく手がかけられており、ラインストーンと同様、
創業主も多くの作品に使用したブランドにとって大切な要素の一つなのです。

4ミリから9ミリほどのスムースパールを中央からグラデーションに配した
ネックレス。
濃いエメラルドグリーンと、クリアカラーストーンの煌めきにそっと
寄り添うつややかで温かみのあるクリーム色は、Christian Dior が
重要視した女性性の象徴にも感じられます。
ラインストーンの輝きを境に、今度はパールのみの新たなラインが
連なりつつ後方へ。
アジャスター先端には、メインカラーのグリーンよりも僅かにくすんだ
オリーブグリーンのビーズがちょこんと揺れる愛らしさです。
ラインストーンのみでまとめ、縦のスリムなラインを強調したイヤリングと
セットでの着用で見せる、きりっとした表情への変化も新鮮です。

本作制作時期と推測される頃、ディオールと Henkel & Grosse社は
共同でジュエリー制作スタジオをパリに設立、数年後にはドイツに
移動しています。
二社間にはデザインやパーツの決定、試作等ジュエリーの完成に至るまでに
複雑な関わりがあり、その歴史や背景に思いを馳せることもまた、
今作の楽しみ方の一つかもしれません。

各アイテムに "Christian Dior" 、"GERMANY" のサイン。

パールコーティングの僅かな剥げは、作品の完成度に影響を与えない
程度と考えます。

年代  1960年代〜1970年代頃
サイズ ネックレス長さ約42cm(アジャスター約3.5cm含む) 
イヤリング約3.8cm×1.4cm

当店ブログにて他の画像をご覧いただけます。
      
型番 dj22008
購入数
売り切れ