ミリアムハスケルのネックレスとイヤリングのセットです。
ハスケルブランドの円熟期、1950年代〜60年代頃の作品と
考えられます。

胸元を広範囲に覆う、一般的に "ビブネックレス" と
呼ばれる類のデザイン。
ハスケルの同種の作品は、連なるパーツが放射状に
広がるものが多く、今作のようなタイプは少々めずらしいと
言えるかもしれません。

全体はピンクカラーのワントーンでまとめられていますが、
よく見ると乳白ピンクの丸ガラス、ピンクビーズ、
さらに濃いピンクのラインストーンと、様々な色と種類の
パーツが使用されています。

作品の大部分を占める丸ガラスも各々の濃淡が微妙に異なり、
配置には色合いによる規則性もありません。

きっとそれは「数が揃わなかった」「適当に繋ぎあわせた」
といったネガティブな理由からきているのではなく、いかに
シンプルなパーツに豊かな表情を与え活用するかを考え、
工夫し、導き出した答に基づいたものなのでしょう。

ハスケルのジュエリーに用いられるパーツへのこだわりは
凄まじく、世界各国から選りすぐりのものが集められ、
時には作品に合わせわざわざ製作されることもあったと
いいます。

その事実は、凝った選択や使い方が、取り立てて特徴が
ないようにも思える「たくさんの小さな丸ガラス」にまで
及んでいることからも推し量ることができるのです。


ネックレスを着けると、まるでレースの飾り襟のように
デコルデ全体をぱっと華やかに彩ります。
一段目は、大小のビーズを立体的に合わせたモチーフを
ポイントに。
二段目には花にも似たメタルに小さなビーズを留め付け
中央に輝くラインストーンを配した、ハスケルらしい
モチーフが三つあしらわれています。
イヤリングも同じメタルデザインです。

留め具部分を飾るラインストーンのフラワーモチーフも
愛らしく、バックスタイルまで計算された高いデザイン性と
美しさをお楽しみください。

メタルビーズの変色、メタルモチーフ裏の補修痕も、
長く大切にされてきたヴィンテージジュエリーならではの
魅力の一部と考えます。

年代　　1950〜1960年代頃
サイズ　 ネックレス長さ約41cm（内アジャスター部約5cm含）
　　　　イヤリング約3cm×3cm

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